2020年06月20日
【「押印なくても契約有効」政府がはんこめぐりQ&A】では不動産業界はどうなのでしょうか。
こんにちは二葉不動産の原です。
【「押印なくても契約有効」政府がはんこめぐりQ&A】
「押印なくても契約有効」
内閣府と法務、経済産業両省は19日、押印に関するQ&A形式の資料を公表されました。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、企業にテレワークが広がる中、押印のためだけに出社するのは非効率との指摘を踏まえた対応。押印省略に企業の理解を促すことで、働き方改革を推進する狙いということです。具体的には、新規取引の場合は運転免許証に記載された氏名や住所など本人情報の記録や保存、継続取引の場合はメール本文や送受信記録などの保存を提案。電子署名の活用も有効だとしています。
【では不動産業界はどうだろうか】
たしかに会社内文章であれば押印不要でいいと思います。しかしながら弊社が作成しています賃貸・売買借契約書、重要事項説明書は捺印不要にはできません。
そもそもなぜ必要なのか?トラブルが起きてしまったときに「押印していないので自分ではない」「この契約書は無効だ」と言われて裁判になった場合に、裁判所など司法側から押印なくても有効と言ってくれるかが重要です。運転免許証の記録は以前から行っていますし、メールも保管しております。それでもトラブルが起きるので、契約行為や合意書を交わす際には署名・捺印が重要というわけです。
【IT重説をしても署名・捺印は必要】
最近では不動産業界でも「IT重説」といいましてwebカメラやLINEを利用しお客様にweb上で重要事項説明を行っております。しかしながら署名・捺印はできませんので、説明したうえ書類を郵送するといった動きをしております。ITという言葉がついてもいまだに不動産業界では署名・捺印は省略できません。
もし印鑑不要であれば「連帯保証人の実印・印鑑証明書添付」が不要になってしまう動きになります。それは困ります。保険会社のようにタブレットで説明し、タッチペンで成約できるように改革していただければ変わるかもしれませんが、不動産業界がなぜ今だにアナログなのかは契約での「トラブルが多い」からです。
いけないと思っておりますが、web上での保険や旅行申し込みに約款や重要事項説明がついており、見てから納得した上で申し込みするわけですが、全部見ています?
見ていませんでしょう?保険や旅行の約款を読まなくてもキャンセルや、延期、トラブルが起きない限り約款はじっくり見ないと思います。
【そもそもなぜ不動産業者が存在するの】
ここで「なぜ不動産業者が存在するの」についてです。
契約は口頭でも成立します「諾成契約」といいます。野菜やスーパーで買い物に行く際に契約書は交わしませんよね。生活用品の購入等が諾成契約のひとつです。
不動産については世の中同じものがありません。立地、土地の形状、号室、広さなどさまざまではないでしょうか。
その分、地域性や決め事が多くありますので容認事項、特約事項が多く含まれております。売主(貸主)様と買主(借主)様のトラブルもそれだけ多くなります。そのためにトラブル防止を図るため間に入ってまとめるのが不動産業者となります。
不動産業者は、申し込みして成約(契約)するまでに宅地建物取引士という宅建試験に合格し都道府県に登録を行い取引士証を発行してもらった者が買主(借主)様に物件の説明をするのが重要事項説明です。
重要事項説明を行う前には調査義務があり、説明しなければいけない事項が含まれております。それを取引士説明を省略しweb上で見ないで契約になってしまったら世の中がトラブルだらけになります。
【結局不動産取引をする際には押印は必要なの】
話しをまとめますと、捺印は当事者間の意思表示でもあります。法律が改訂され、アメリカなどのようにサインで有効であればいいのですが、金融機関、地町村の役所関係、そして裁判所のすべてがかわらないと難しいのが現状です。
弊社としては今までと変わらず署名・捺印をしていただくよう対応いたします。
【この記事を書いた担当者】
担当 有限会社二葉不動産 原 啓輔
出身 東京都世田谷区等々力
尾山台小学校・尾山台中学校卒
家族 妻・子供3名(子育て中です)
趣味 ドライブ・鉄道・旅行、最近ゴルフを
始めました。
一言 23歳の時より不動産業界で仕事をさせ
ていただき、15年近くになり賃貸
売買ともに経験いたしました。
尾山台に20年以上住んでおりますので
物件だけでなく街情報もご案内します。
尾山台周辺のアパート、マンション、
事務所・店舗の賃貸・売買については
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