2021年01月17日
【サブリース法制定】賃貸経営について相談できる窓口はありますか?
こんにちは二葉不動産の原です。
【サブリース法制定。賃貸経営などの相談窓口について】
このブログは賃貸経営オーナー向けに書いております。
現在所有されているまたはお父様・お母様が所有されている賃貸物件がサブリースだった場合、サブリースについて管理会社以外に相談できる窓口はございますか?
銀行系不動産会社?大手不動産業者?または私共のような街の不動産業者、、、どこでしょうか?
今回はサブリースついて簡単ではありますが、私の考え・ご提案をお伝えしたいと思います。
【サブリース法が施行】
先月の2020年12月15日に「サブリース業者とオーナーとの間の賃貸借契約の適正化に関する措置」いわゆるサブリース法が施行されました。
今回の新法制定は「サブリースについてのリスクなどを十分な知識を契約前に知っておくことを催すため」となっております。
事実を誤認させる広告や勧誘を受けたり、法律違反をしている可能性がある会社を見つけた場合、国の専用窓口に通報できるようにもなります。
法律の内容は以下の通り、
①誇大広告の禁止。
②不当な勧誘の禁止。
③契約締結前の契約内容説明を行う際に重要事項説明を書面で行うこと。
④契約締結時は書面で交付。
⑤財務状況の共有を求められたら書類を提示すること。
となっております。
【そもそもサブリースって何?】
サブリースとは「建物を建築した不動産業者の賃貸管理部門(または不動産管理会社)が、建物を一括で借り上げて毎月所有者に対して定額の金額を支払ってくれるもの」です。
簡単に言いますと、毎月100万円送金があるとします。どんなに空室があっても定額に入ってくる契約です。これは所有者としては毎月安定的な収入が見込めてローン等の借入返済が滞ることがない安心した商品だと言われております。
【サブリース=安心・・・ではないです】
しかし、、、もちろん裏があります。そんなうまい話ではありません。なぜでしょうか。それは、
①サブリース会社も事業なので、契約金額は近隣相場より安い。(約8割)
②数年に1回家賃改定の特約がある。(5年単位が多い)
③サブリース会社が貸主になるので、入居者選定ができないこと。
④リフォーム等も業者を自ら選定できず高額請求される場合有。
⑤所有者の意見が通りにくく反映されないことが多い。
⑥サブリース会社の財務状況、破産の可能性は??
ということです。
①サブリース会社も事業なので、契約金額は近隣相場より安い。
サブリースは又貸しになりますので、所有者ではなく管理会社が貸主になります。もちろん苦情の受付、設備不良に伴う対応もやってくれますが、私共のように通常の賃貸契約と比べると①のように契約金額は安くなります。サブリースも事業ですので契約する以上利益をもとめます。そのため、先方は契約金額以上の家賃が入らなければ赤字になります。
所有者とサブリース会社のとの契約は月100万円での契約。(マスターリース契約と言われております)上記の通り空室関係なくです。
では、サブリース会社は貸主としてどのくらいの家賃で募集するでしょうか。だいたい2割アップが一般的ですので、月120万円で募集し、20万円は利益。そして空室補填はこの20万円で補っていくような仕組みです。
サブリース会社も事業ですので、事前に事業計画を練って家賃を提案してきます。相場のだいたい約8割だと思われます。(場所により違いあり)
②数年に1回家賃改定の特約がある。(5年単位が多い)
そして早期成約のため、サブリース会社は入居者の幅を広げて募集します。一般借主、弊社のような不動産業者に情報を公開し募集して成約に向けて進めます。しかしながら年数が経過すれば劣化してきますし、築浅でなくなってきます。新築時のような価格では市場にだしても決まらなくなってきます。そのため数年に1回家賃の改訂特約がほぼ必ずついております。そうしなければサブリース会社は利益がでません。ここを考えないでサブリース契約を締結する方が多いこと・・・
もしこのような家賃改定の相談(ほぼ100%値下げについて)があったら第三者の他の不動産業者に相談することをおすすめします。
③サブリース会社が貸主になるので、入居者選定ができないこと。
入居者の選定もできないのが問題の一つです。家賃は支払うけど、近隣迷惑やゴミの出し方などをしっかりと守らない方がいます。所有者は貸主ではありませんので、借主の選定について口出しが基本出来ません。
基本は苦情等はすべて管理会社に行くわけですが、もしサブリース契約が解約になった場合は自分が引き継がないといけなくなります。
④リフォーム等も業者を自ら選定できず高額請求される場合有。
リフォーム等に関しては、サブリース会社が提携しているリフォーム業者に依頼し工事しますが、請求は所有者です。所有者が所有している専有部分を工事するので請求は所有者ということだからです。
その工事も大手になるほど高額になる傾向があります。「こんな工事必要か?」という項目も多くあるとか・・・
リフォームの内容もしっかりと見て、おかしい?と思ったらサブリース会社に理由を聞いたり、他の不動産業者様ん相談してみましょう。
⑤所有者の意見が通りにくい。
以前のこと、サブリース契約をしている所有者が弊社に来店し相談を受けたことがありますが、エレベーター内の抗菌消臭が毎月〇〇万円請求されているのだけど必要か?各階にお花を置いたり、エントランスに観葉植物を置くのに〇〇万円請求されているのだけど正当か?などの相談でした。
所有者にとって必要ないと判断したのであれば、それはサブリース会社にしっかり意見してなくしてもらうよう伝えることと助言しました。
正直なところ、エレベーター内の抗菌消臭はやったほうがいいと思いますが、毎月数万かけるまでもなく、エントランスや各階の観葉植物などは地元のお花屋さんのほうが安かったりします。
しかしながらサブリース会社も経営ですので協力会社とのお付き合いがあります。「これはできません」「これは削減できません」などなかなか所有者の意見が通らないことが多いようですね。
⑥サブリース会社の財務状況、破産の可能性は??
これは数年前に起きた「かぼちゃの馬車事件」です。かぼちゃの馬車を建築、サブリース契約を取りまとめていたスマートデイズ社が、スルガ銀行と共謀して行った悪質な強行融資によって大変な思いをした賃貸オーナー様が多くいらっしゃいました。
あの事件もスマートデイズが女性専用のシェアハウスを建築し、「30年一括借り上げ家賃表面利回り8%~ 家賃を保証します」といった文言でサラリーマンでも賃貸オーナーになれるといったセミナーを開き拡大していきました。
シェアハウスは私共の賃貸物件と違い、各室が細かく区切られており(だいたい3~4帖ほど キッチン、シャワー、トイレは共用)入居者が多く狭小の土地でも利益を上げられるというのがアピールポイントでした。
しかしながら借主側の多くはちょっと年収の多いサラリーマン。
建築費用を全額借入して返済できるようにローンの審査をするわけですが、サラリーマンの年収書類(源泉徴収票)を改ざんしたり、スルガ銀行の高金利の融資により結果として破産をしてしまうオーナーが多くいました。
スマートデイズも建築時点で大きな利益をだして、サブリースでも利益をもとめていましたが、入居者の減少、空室率の増加により会社自体は火の車・・・結局破産してしまい賃貸オーナーたちは多額の負債を抱えてしまいました。
そのため今回のサブリース法では、所有者がサブリース会社に会社の財務状況を請求できるようになりました。
【困った場合は他の不動産業者に相談を】
サブリース法が制定された背景には、さまざまなトラブルがあったからです。まだまだ裁判をしている所有者様は多数いらっしゃいます。現在契約されているサブリース契約がいいのか、または貸主様が自主的に管理されるか、不動産業者様が担当している賃貸管理がいいのか判断が難しいかと思います。迷ったら相談されてみてはいかがでしょうか。弊社でもご相談承り致します。
【二葉不動産では賃貸管理業務も行っています】
弊社ではサブリース契約は行っておりません。賃貸管理業務として家賃集金送金、リフォーム手配、苦情受付を行っております。家賃の集金手数料を頂戴する形になりますので、サブリースよりは手数料は安くなります。どこが違うかは「空室保証がない」ということです。
もちろん空室がないように募集し成約に向けて進めていきますが、手数料率が少ない分、収入はサブリースよりもアップするのではないかと考えます。
もっと細かく書いたらキリがありませんので、こちらまでに致します。相談お待ちしております。
【この記事を書いた担当者】
担当 有限会社二葉不動産 原 啓輔
出身 東京都世田谷区等々力
尾山台小学校・尾山台中学校卒
家族 妻・子供3名(子育て中です)
趣味 ドライブ・鉄道・旅行、最近ゴルフを
始めました。
一言 23歳の時より不動産業界で仕事をさせ
ていただき、15年近くになり賃貸
売買ともに経験いたしました。
尾山台に20年以上住んでおりますので
物件だけでなく街情報もご案内します。
尾山台周辺のアパート、マンション、
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