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有限会社二葉不動産

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2021年03月7日

【孤独死はすべて告知事項扱いなのか】弁護士の判断と判例を見て考える。

こんにちは二葉不動産の原です。

 

【孤独死はすべて告知事項扱いなのか】

 

不動産業者として賃貸管理業務を行っている中で、1,2を争うほどつらい仕事・・・それは「室内で亡くなっていた場合の対応」です。自殺や殺人などから、自然死(孤独死)だったりしますが、不動産の実務上すべてが「告知事項」として扱わないといけないのでしょうか?判例も含めてご案内させていただきます。

 

まずは心理的瑕疵についての説明から。

 

【心理的瑕疵とは何か】

 

心理的瑕疵とは、心理的な観点から見た物の欠陥(キズ)を意味する言葉として用いられております。一般に賃貸住宅において日常生活を営むにあたって、自殺や殺人など過去の嫌悪すべき歴史的背景によって住み心地に影響が及び、本来あるべき住み心地を欠く状態となっている場合に、心理的瑕疵にあるといわれております。

 

心理的瑕疵は法律用語ではなく厳密な定義づけがないため、不動産業ビジョン2030でも政策課題のひとつとしてあげられております。

 

【瑕疵の判断基準。自殺や殺人は告知事項となるのか】

 

不動産取引における心理的瑕疵は、自殺や殺人などに対する嫌悪感を意味しますが、過去の事故・事件への人の感じ方はそれぞれ異なります。法的な観点からは心理的瑕疵に該当するかどうかは、それぞれの人が主観的に内心でどのように感じたかではなく、通常一般人においてそのような事由があれば住み心地のよさを欠くと感じることに合理性があるかどうかによって判断されます。(大阪高裁S37.6.21、大阪高裁H18.12.19)

 

住み心地の良さを欠くと感じることに合理性があるかどうかは、個別の事件ごとに検討されております。その場合には、過去の事故・事件の態様、場所、地域性、近隣住民の周知状況、契約の目的・状況、事件・事故からの経過年数を考慮要因となります。

 

実務上で考えますと、自殺や殺人ですと警察車両や救急車、そして近所の方(一般的に野次馬のこと)が見て「うわさ」が回ることから上記のようなことが起きたらほぼ間違いなく「告知事項物件」となります。

 

【自然死・孤独死は瑕疵にあたるか】

 

今回のテーマですね。

 

人の死亡が、心理的瑕疵として法的な問題となりうるのは、室内での自殺や殺人事件などの人の死亡が、過去の嫌悪のすべき歴史的背景となり、建物に居住するにあたって、嫌悪感、抵抗感を生み出す事情と評価される場合です。自然死についてみれば、住居が人間の生活の本拠である以上、突然に心筋梗塞が発症して死亡したり、あるいは、自宅療養中に死に至ることなどは当然に洋装されることです。通常の一般的な自然死は、建物に居住するに際しての嫌悪感、抵抗感を感じさせるものではなく、瑕疵にはあたらず、その後に賃借しようとしている顧客に対する説明義務もありません。

 

室内での自然死自体についての嫌悪感がある事象を捉えることは、人として容認することはできない考え方でしょう。(東京地裁 H19.3.9)

 

【自然死・孤独死で告知事項扱いになるのは】

 

では自然死や孤独死で告知事項扱いになるのはどういったことでしょうか。

 

気温や湿度が高い季節に遺体が放置されたまま長期間経過するようなことがあると、遺体が腐乱し、その放置された場所の床が変色したり、床・天井・壁等に異臭が染みついて容易には脱臭できなくなります。床の変色や異臭が交範囲に広がればリフォーム費用も高額になるほか、このような状況は物理的な損傷として物件の交換価値を低下させるとともにその後、その空間で生活することは不快感や抵抗感を生じることにもなるでしょう。

 

建物内で元の所有者が死亡し、発見されるまでに約3か月という長期間放置されたままであったことについて、一般人であれば嫌悪し、その建物に居住することを拒む性質の事実であり、瑕疵にあたるとされました。(東京地裁 H14.6.18)

 

【二葉不動産ではどのように判断するか】

 

当社でも孤独死された方が年に何人かいらっしゃいます。死亡推定から23時間~7日の間に発見しておりますが、どの物件も周辺の方にはご迷惑をかけていないため「告知事項なし」としております。

 

ただし、当該物件を申込みをしていただくお客様には「うわさ」の話が来る可能性からあった事実を説明し、ご納得していただきました上で賃貸借契約を行っております。

 

ちなみに勝手に室内に入れませんので、警察に安否確認という方法で来てもらい、警察に入ってもらったことで判断していただきます。勝手に入って見つけると自分たちが犯人扱いになりますので、ものすごく注意が必要ですね。

 

 

参考にしていただければ幸いです。

 

 
 

【この記事を書いた担当者】

担当 有限会社二葉不動産 原 啓輔
出身 東京都世田谷区等々力
   尾山台小学校・尾山台中学校卒
家族 妻・子供3名(子育て中です)
趣味 ドライブ・鉄道・旅行、最近ゴルフを
   始めました。
一言 23歳の時より不動産業界で仕事をさせ
   ていただき、15年近くになり賃貸
   売買ともに経験いたしました。
   尾山台に20年以上住んでおりますので
   物件だけでなく街情報もご案内します。
   尾山台周辺のアパート、マンション、
   事務所・店舗の賃貸・売買については
   お気軽にお問い合わせください。

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