特別対談企画
Special dialogue
皆さんはお部屋探しをする時に一体何を基準に探しますか?
最寄駅から近い所がいい、日当たりが良くないと嫌だ等々、色々な条件があるとは思いますが、その中で「どの不動産会社にするべきか?」という事について考えた経験はあるでしょうか?
そもそも間違ったお店選びをしているせいで、希望する条件の物件に辿り着けないなんて事があるかもしれません。
今回は日頃お付き合いのある株式会社Room's Bar様に訪問し、代表の中川さん、 当社二葉不動産の物件ページ以外のサイト制作をご依頼させて頂いた事のあるスタジオヘレティックの金子さんが集まり、 不動産業者さんについてのアレコレをお尋ねさせて頂きました。
皆さんのお部屋探しのヒントになること請け合いのこの企画、どうぞご一読下さい!
題して、
不動産会社の選び方とは?
ルームズバー代表中川(以下、中川):今日はようこそお越しくださいました。
二葉不動産営業部長原(以下、原):お邪魔します。いや今日は暑いですね。
スタジオヘレティック代表金子(以下、金子):今年は割と冷夏っぽいですけど今日はちょっと厳しいですね。
原:さて、今日中川さんのお店に集まらせて頂いて申し訳ないんですけど、実はちょっとウチに来てくださるお客様から度々気になる話を頂戴してまして。
中川:気になる話?
原:はい。引越を考えている方がいくつか不動産店舗を回ってウチに辿り着いたそうなんですが、何かもう疲れきってらっしゃって。
中川:いくつも回る方は最近ですと珍しいですね。一体何があったんでしょう。
原:それがどうも大手の不動産店舗で希望する物件を伝えても、その通りの物件に連れて行って貰えなかったそうなんですよ。
中川:あぁ私の所に来た方でもそういう方いらっしゃいましたよ。
金子:どういう事ですかそれ?
原:どうしても大手だと店から見て「早く契約を決めてしまいたい物件」があるみたいで、そういう所を優先的に見せるみたいなんですよね。
金子:条件に合わないのに?
原:はい。一件目、二件目は条件と違うからNOと言うけど、三件四件と続けば疲れてきたり諦めたり、自分が望む物件は無いんだと察してYESと言っちゃう状況になってしまうとか。
金子:そういえば僕の知り合いも契約するまで帰らしてもらえないような雰囲気で迫られたって話をしていたなぁ。
原:大手だと社員の契約件数ノルマとかもあったりするから、ノルマ未達成の社員に捕まったりすると何が何でも契約させようとして、お客様<自分のノルマ達成の方向になっています。
金子:お客様からしてみると迷惑でしかない話ですね。
中川:僕らみたいな個人店舗はノルマも何もないからお客様視点で物件を探せるけど、大手だとそういう「潰し」があるから怖いよね。
金子:実は何店舗か個人で経営していらっしゃる不動産会社さんからサイト制作の依頼を受けているんですけど、
正直、不動産の知識が無い僕のような素人としては、不動産選びなら大手に行けばいいんじゃないのって思っちゃう所があって、お店の強みを出すのに困るんですよね。
それに個人でやってる不動産会社さんってそもそも入りにくい雰囲気があって。不動産業界そのものにちょっと怖いイメージがあるっていうか。
原:怖いイメージ?
金子:地上げとか家賃の回収とかで怖いお兄さんが出てくるイメージ(笑)
中川:ドラマで出てきそうな(笑)
原:今の時代法律も変わったしそういうのはまず無いですね。 個人店舗ならなおさら。そういう事したら違法だからお店畳まなきゃいけなくなります。 むしろ大手の方がさっき言った通り、色々な理由でお客様の望む物件を教えない事があるからタチが悪い場合もあります。
金子:うーん、大手なら安心っていうのは間違ってたのかー。
原:はい。あまり知られていませんが大手って言ってもフランチャイズの店が多いのです。 お店のクオリティは個人店舗と大差ない所がほとんどで、「大手ならとりあえず安心」っていうのはあまり同意出来ません。
金子:フランチャイズなの!?知らなかったー!
中川&原:やっぱり知られてないんですかね。
金子:知らないですよ、フランチャイズって言ったらコンビニと同じ扱いでしょう?いやー意外すぎる。 てっきり本部の直営店のみでチェーン展開してるものだとばかり・・・。
中川:9割方直営店の大手もありますよ。なので全てがフランチャイズではないです。
原:でもフランチャイズの店もあって、それは行ってみないとわかりません。 だから地域や街の情報なんかも含めて、昔からやってる「地元の不動産会社」が一番安定しているってわけですね!
金子:威圧的な契約もされないし、物件以外の情報も教えて貰える、と。
原:そうそう。だから二葉不動産をお願いします!
金子:え、それ今言いますか(笑)
中川:(爆笑)
原:まぁ冗談は置いておいて、やっぱりお部屋探しは昔からある個人店舗が一番いいですね。 自分がその仕事をしているからってわけじゃなく、お客さんから大手の噂話を聞くたびにそう思います。
中川:古くからある不動産会社が潰れないのにはそういう理由があるって事です。
金子:最近だとアプリで物件探しなんて流行ってきてるけど、あれはどうなんでしょうかね?
中川:不動産会社は見ずに部屋だけに焦点を当てて効率良く探せますよね。
原:でもそうなると尚更大手に行きやすくなるのですよー。
中川:お部屋探しってその町に住む事なわけだから、治安や環境問題や虫害なんかも知っておくべきなんだよね。でもアプリじゃそこまでわからない。
原:アプリで気に入ったお部屋を見つけるところまではいいけど、そこから先の対応がどうなの?ってなっちゃいますね。
金子:アプリって時点で若い子向けのコンテンツなんだなーって思いますもんね。若くて知識があまりないからこそやっつけられちゃう。
原:そういう事ですね。
中川:ずっと住む事になるわけだから、丁寧な仕事をしてくれる業者を選ぶのが最低条件だと思いますね。
原:やっぱりアプリだと業者主体で人間的な問い合わせが出来ないだろうからオススメは出来ませんね。
金子:人間的?
原:物件情報には載せられない要素って言うのもありますがね。
中川:天井の高さとか廊下を空けた所のスペースだとか、本当に細かいところまでは書ききれないですもんね。
原:機械でなく店員に直接聞ける環境ならそういう細かい所まで教えて貰えるだろうから、お客様主体で人間的な対応をする業者を当たるのが賢明ではないかなと。
中川:あとはやっぱり環境ですよ。「閑静な住宅街」が自分に合うかどうかは見るまでわからないし。
金子:まとめるとアプリは危ないって感じですかね。
原:お部屋探しの入り口としてはいいけど、「その先」を考えないと危ないよって事です。 人間が住むのだから人間らしい対応をしてくれる店を選ばなきゃダメです。 混雑した場所で流れ作業みたいに物件を決めさせられて、内見でも威圧的な態度を取るような業者は問題外です。
中川:住む所に妥協すると絶対後悔しますからね。それこそ毎日。
金子:そりゃそうですよね。
金子:他に注意すべき業者ってありますか?
原:割引キャンペーンとかやってる業者ですかね。
金子:と言いますと?
原:不動産業界ってそんなにポンポンお客様が来るわけじゃないから、割引ってあんまり意味がないんですよ。 割引をしてお客が少しばかり増えても、割引いた分を取り返してプラスになるほど客足は伸びません。
中川:引っ越す理由が無ければ引っ越さないですもんね。
金子:特に理由もないのに「お!安い!引っ越そう!」とはならないですよね(笑)
原:そうそう(笑)衝動買いみたいな事はまず起きない。 なのに割引キャンペーンをやっているって事は、その分他の商品を薦められますよ。
金子:つまりどういう事でしょうか?
原:仲介手数料割引キャンペーンの物件があるとしたら、 別に、24時間安心サービス、抗菌消臭剤など、いろいろな商品を契約するのが条件になってしまいます。
中川:騙し合いみたいになってますよね。
金子:だいぶあくどいですね・・・。
原:もちろんそうじゃなく本当に割引をしているお店もあるので一概には言えないんだけど。
金子:見抜く方法って無いんですか?
原:無いかな。まぁ割引キャンペーンを大きく表示している店はちょっと疑った方がいいのかもしれない。
中川:賃貸の怖いところですよね。八王子に限らずどこでもそういう業者は居ますし。
金子:お二人のお店は・・・?
原&中川:もちろんクリーンですよ(怒)
金子:ところで今日のお話を僕を含め不動産の素人さんで賃貸物件を探している方向けに公開しようかと考えてるんですが。
原:いいですね!大手にフランチャイズの所があるって知らない人多いと思いますし。
中川:同業者間で話をする事はあっても、素人さんの立場に居る人と意見交換する機会ってあまりないから貴重かもしれないですね。
金子:お客様はほぼ素人さんなんだからこういう話を聞けるだけで結構ありがたいと思うんですよ。実際お二人の話を聞いてだいぶタメになりましたし。
中川:お店で気軽に聞いてくれれば教えるんですけどね、中々そこまで聞いて下さる方も居ないので。 こちらから話してウザいと思われたらいけないし、難しいところです。
原:お客様との距離感って大事ですからね。遠すぎると大手みたいな対応になってしまいますし、近すぎてもありがた迷惑になっちゃいます。
金子:聞く手間を省いて自身のペースで情報を得られるという事で、サイトを活用していきます(笑)
中川:よろしくお願いします(笑)
原:またお客さん目線で役に立つ情報を配信出来たらいいですね。
金子:そのうち何かやりましょう!
いかがでしたでしょうか?
中々知る機会が無いであろう不動産業者の裏事情めいたお話です。
実は最初この会話を記事に起こすつもりは無かったんですが、
お二人の話を聞いているうちに「これは皆さんに公開した方がタメになるのでは?」と思い立ち、すんなりOKを貰えた事もあって記事制作に踏み切りました。
皆さんのお部屋探しのヒントになれば幸いです。
中川貴義。
大手不動産仲介会社の八王子店支店長を10年以上勤め、平成19年に独立し南口にRoom' Barを設立。
20年以上八王子の賃貸に関わっている不動産のエキスパート。
金子和樹。
フリーランスのWEBデザイナーとして横浜を中心に活動中。
様々な企業のサイト制作を通じて培った見識の広さを活かして、多角的な戦略を打ち出す。
原啓輔。
世田谷区尾山台に店を構えて60年余りになる、二葉不動産の営業担当。
雑貨販売業の経験もあるため営業力が高く、鋭い切り口で不動産業界へ挑む...予定。